4対6の敗戦、悔しい悔しい敗戦でした。
日本一をとる。そういう強い気持ちで臨んだ今大会。初戦のおかやま山陽戦で完封勝利を挙げると、聖心ウルスラ戦では逆転勝利。そして今日の広陵戦、絶対負けないという強い意志で臨みましたが、届きませんでした。
試合は監督のプラン通り、いや、その想定を超えていたといいでしょう。平野・堀田で前半を乗り切り後半勝負。瀬川航騎の本塁打で先制、佐藤晃一の本塁打で勢いづき逆転。そしてエース齋藤郁也投入と流れはきていると感じていたのですが・・・。
水の流れには乗れたが、最後は風が吹かなかった、そんな感じでしょうか。もちろん、運がなかったというつもりはありません。その風は自分たちで起こすもの。今日の試合をみていても、盛大附属、仙台育英、そして広陵。見事に風を吹かせていますから。
でもその風は目に見えない力。ウチのそれよりも、広陵のそれの方が少し上回ったのでしょう。広陵の強打者中村君に投じたあの一球も決して失投ではなかった。それを完璧に打たれた。彼を誉めるしかありません。
今年のチームは紆余曲折いろいろあったチームでした。もちろん毎年なんですけど。よく選手にウサギとカメの話しをするのですが、例年ウサギ型とカメ型がはっきり区分けされる事が多い。でも、今年はそれが同居していた。だからなかなかチームがまとまらず、スタッフも選手も苦労してきました。
そんなチームが、一人ひとりの個性を消さず、自然体でチームにそれぞれ居場所を作り戦う集団となった。個性とは決してわがままではなく、自分を生かし、人を生かせる個性でなくてはならないと思います。そういう意味で、最後に主将となった仁平勇汰の存在は大きかった。彼と宿泊中、じっくりチームのことなどを話す時間があったのですが、実に一人ひとりをよく見ているし、分かっている。あいつがこうなったらこう接するというような、一人ひとりに対するそういうアプローチの仕方が良く分かっている。まとめるというのはこういうことなんだと、つくづく感心させられたものです。まとめるというのは個性を消して周りに合わせるのではなく、相手を理解し、その個性を生かすことでまとまりの輪を大きくしていくもの。そう改めて感じさせてくれました。仁平勇汰、彼もまた歴代の名キャプテンの一人として、その存在感を示してくれた夏でした。
この夏も、本当に多くの方々に支えられ、戦い抜くことができました。本当にありがとうございます。足らないものはまだまだあると思います。ベスト8の壁とか、11年連続で出ているのに優勝できないとかいろいろと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、これは現場の者しか分からないことかも知れませんが、選手達の大きな成長を感じることができたのは間違いのない事実です。
聖光学院の挑戦はこれからも続きます。この挑戦は、仮に優勝しても終わりはありません。毎年変わる選手達。受け継がれる遺伝子。そうやって毎年、聖光学院史上最高のチームを目指していくのです。福島に戻り、またその一歩を踏み出します。ご声援ありがとうございました。
※今年の甲子園日記はこれが最終回となります。読んでいただき、ありがとうございました。なお、「先生のひとりごと」ブログは、9月1日の始業式に再開いたします。今後ともよろしくお願い致します。