勝負の世界には、当然のことながら勝ち負け付いてくるものだ。
5月8日(土)~10日(月)に信夫ヶ丘競技場で県高校総体陸上競技の県北地区予
選会が行われた。本校の陸上競技部は、4種目で優勝を果たし団体の部では数年ぶりに
男子フィールド3位に入賞した。
この大会は、高校生アスリートにとっては最大の目標である全国高校総体の予選会であって、どんなに素晴らしい記録を持っていてもこの予選会で敗退すれば全国への夢は断たれるのである。3年生は3年間の集大成でもあり、この日のために日々努力してきたと言っても過言ではない。
今回優勝した選手の中には、1年生もいたが同じ種目で善戦むなしく予選で敗退した上級生もいた。顧問としては、彼の冬季練習の努力を思うと複雑な気持ちである。
選手には常日頃、結果を真摯に受け止めることを話してきた。「努力は嘘をつかない。」しかし、その顕れ方は様々である。今回、彼の努力は競技パフォーマンスとしては顕れなかったが、優勝した後輩をサポートし優勝を一緒に喜んでいる姿を見ると、彼の努力は何物にも代え難い人間的な成長となって顕れたのだ。このことは、私だけでなく一緒に努力してきた仲間と彼をささえてくれている家族も同じ気持ちではないだろうか。
この大会に怪我のために出場できなかった選手の中に3年生もいた。彼もまた、部員をサポートしチームを支えてくれた一人であり、チームの柱でもあった。彼の3年間も決して無駄ではなく、これからの長い人生にとって貴重な財産となるはずである。彼にとっての全国高校総体の夢は断たれたが、競技者としての追求はまだまだ終わりではない。高校生アスリートとして機会があれば挑戦できるはずである。大いに期待したい。
さて、今日からいよいよ全国高校総体予選の第2ラウンドの県高校総体である。ランキング的には上位大会(東北大会)に進める可能性がある選手もいるが、競技はその時、その場所で一番強いものが勝つのである。記録で勝負するものではない。
この大会も「勝ち」にこだわり「価値」あるものになるよう、選手一人一人そしてチームとしても最高のパフォーマンスができるように、顧問としてできるだけのことをしなければならないと考えている。
と、陸上競技部の顧問の先生が言っていました。