ある保険会社の営業マンAの話しです。
入社早々、保険のセールスのため、電話帳を渡されました。そう、電話営業ですね(今は個人情報なんかで、そういう電話帳ってあんまり聞かないですが・・・。一昔前は個人の家庭の電話番号が載っている電話帳ってありましたよね)。
Aさんはじめ、Bさん、Cさん・・・みんな電話帳を使って営業電話を始めたのでした。
しかし、電話がつながってもとにかく食いつきが悪い。「間に合ってます」「今忙しいので・・・」。話しを聞いてもくれない・・・。
みんな頭を抱えて「あ~」とため息。
でもAさんはここで発想の転換をします。そうしたら、凄く食いつきが良くなって、話しを聞いてくれる人が増えたんだそうです。
さあ問題です。Aさんはどんな発想の転換をしたのでしょうか・・・。
この質問を生徒にもしてみました。「世間話からはいった」「現在契約している保険の違約金を肩代わりした」「契約者には何か特典を与えるようにした」・・・などなど。
皆さんはどうしたか想像がつきますか?
Aさんはこうしたそうです。
「電話帳をひっくり返して、後ろから営業電話をしてみた」というのです。
なるほど。電話帳ってアイウエオ順。だからみんな「あ」からいくわけです。例えば「阿部さん」。たぶん、そんな電話が何本もかかってきているのでしょう。「またか」って適当に話して終わらせていたのですね。
Aさんは後ろから攻めた。例えば「渡辺さん」。あんまりそういう電話がかかってこない。だから物珍しさも手伝って、「じゃあ、話だけでも」って食いつきが良くなったんだそうです。
う~ん。発想の転換ですよね。意外と簡単な答えだったのでは?でもなかなか気付かない。やっぱり成功する人って、そういう発想を持っている。
ちょっと視点を変えるだけで、「変化」が出てくるのです。悩んでいる人、行き詰っている人。案外、それを解決する方法は、身近な、そしてちょっと視点を変えて発想の転換をすれば光明が見えてくるのかも知れません。
常識にとらわれず、視点を変えて発想を転換すること。成長をしていくためには、絶対に欠かせない考え方ですね。
ちなみに、Aさんはその後その保険会社の全国営業成績でTOP20に入ったりして、現在は経営コンサルタントとして独立。数多くの企業の「再生」やら「業績アップ」に大きく貢献されているのだそうです。(Yokoyama)