梅雨空が上空を覆い、まだまだすっきりとしない天気が続く毎日ですが、梅雨明け宣言を前に今年も熱い夏の幕が切って降ろされました。先日のニュースや先生のひとりごとなどでも取り上げられてますように、先週の金曜日(7/9)から第92回全国高等学校野球選手権福島大会が開幕されたのです。11日の初戦は、新聞等でもご覧のように、一昨年の決勝で戦った郡山商業を相手に9対0と予想を上回る完璧な戦いぶりをしてくれました。主将である村島を中心に、39名の3年生がチームの為に我を捨て、それぞれの置かれた立場の中で懸命に戦いきる。その姿勢に2年生は、3年生の為に命懸けで戦わせていただいているというそれぞれの力がうまくかみ合った結果なのだろうと思う。
今年の3年生のチームも過去の先輩達に負けず劣らずのチームとなったように感じる。選手個々の力量の比較論だけではなく、全員が戦う集団となることができたのだ。上述したように、年々入部してくる生徒の数が増え、史上最多の部員数となる。誰一人として、現場から勧誘されてきた生徒はいないが、それぞれがレギュラーとなることを夢見、志を高く持って門を叩いてくるのである。言い換えて表現すれば、我の塊のようなものでもある。そんな生徒達が3年間の歩みを通して、大きく成長することができている。そんな姿を見ることが我々にとって何よりも一番嬉しいことである。今回、ベンチ入りできなかった3年生は数多くいるが、その中の一人にこんな生徒もいた。入学したての頃は、自分のことしか考えられず、仲間に対してよく迷惑ばかりかけていた。考え方を注意してもなかなか素直に受け入れることができず、返ってくる言葉は常に言い訳ばかり。周囲も厭きれる部分もあったが、多分、本人も相当悩んでいたのだろうと思う。そんな彼が、3年生となってからは大きく変貌を成し遂げてくれた。メンバー発表の前日、伊達市はゲリラ豪雨に見舞われた。全身がびしょ濡れになり、靴の中まで濡れている状況。乾いたタオルで体を拭き、難事は凌ぐことができた。みんなが去った後、一人で通路を拭いている生徒がいたのだ。その生徒が上述した彼である。一番面倒臭いことを嫌っていた彼が、人の為にやっているのだ。私はその光景に思わず感動した。彼の心の成長を感じることができたのです。彼の口から「今、みんなと野球ができるのが楽しいです。福島に来て今自分がこうしていられることに幸せを感じます。」と胸を張っていってくれたのである。彼の姿が強く逞しくも見えました。
今回、紹介できたのは一人でしたが、全員がそれぞれ大きな歩みを遂げてくれました。日本中で一番熱い夏を戦いきれる仲間たちと共に「やりきって」くれることを確信しております。