「一年を振り返って」
教頭 遠藤直仁
早いもので、師走もあとわずかとなりました。振り返れば、世界的な経済不況や新型インフルエンザの猛威が、この地球全体を大きく揺るがした一年でした。高等学校においてもその影響は想像を遥に超えるほどの大きさであり、特に進路実現を目指して努力している3年生にとっては、大変厳しい年となりました。年明け早々には、平成22年度入学生の選抜検査を控え、進学希望者にとっても、勝負どころのセンター試験が待ち構えております。世知辛い世の中を憂いでいる暇などないほどに、時は容赦なく確実に進んで行きます。しかし、どんな世の中であっても、希望を持って前進してゆく逞しさを持つことが肝心です。
さて、私には様々な瞬間をとらえて「自分への励ましや戒め」として読み返す言葉があります。今日は、みなさんにご紹介したいと思います。
「生かされていることに感謝して」
今日まで私が辿ってきた道のりは、まさに山あり谷ありでした。無我夢中で毎日を送る中、次のような言葉と巡り合わせていただきました。
『私は神に力を願い求めた。そうすれば偉大なことが成し遂げられると思った。でも、私には弱さが与えられた。謙虚に従うことを学ぶために。
私は健康を求めた。人よりも勝ったものになるために。
でも、私は病に倒れた。人への憐れみを学ぶために。
私は富を求めた。幸せになれるように。
でも、その代わりに貧しさが与えられた。智慧を学ぶために。
私は権力を求めた。人々の賞賛が欲しかったから。
しかし、私には弱さが与えられた。神に頼ることを学ぶために。
楽しく人生を生きるため、私はたくさんのものを手に入れたかった。
しかし、価値ある人生を生きるため、生きる目的を与えられた。
求めたものは何一つ与えられなかったが、私が望んでいたものは全て与えられた。言葉にならない心の祈りがすべて叶えられたから。今、わかる。
私はこの地上の誰よりも豊な祝福を受けているのだと』