皆様こんにちは。4月から名誉ある聖光学院高等学校の一員となりました「寺澤 実」と申します。どうぞ宜しくお願い致します。私の中学生時代の夢は教師になる事でした。しかし家が貧しく進学を断念し、今から50年前の3月31日に、越後の田舎から、カラオケ定番の「ああ上野駅」で有名だった「集団就職列車」で上京して、懸命に働きました。初任給が8950円、寮費・諸経費を天引きされ、手取りが490円でした。夜間高校・夜間大学へ通学したのは良かったのですが、パンやジュースを買えず、ノート鉛筆も買えず、教科書も買えず、授業料滞納により期末試験を受けらず進級不可となったり、家出少年と間違えられて、警察官にしょっ引かれ学校へ行けなくなったり、また上の瞼と下の瞼が仲良くするのを、鉛筆の芯で手の皮膚を必至に刺しては、戦ったものでした。苦しかった青春でしたが、今では懐かしい思い出です。
今の日本は、欲しい物は何でも買うことが出来、高等学校も安心して通える豊かな国になりました。皆さんが何の心配や苦労もせずに安心して学校に通えるのは、ご両親そして地域社会の諸先輩方の懸命の頑張ったからだと思います。そういう意味で、ご両親や祖父母に感謝し、地域社会のお年寄りを敬いたいものです。そして学習や部活動・趣味などに大いに青春を謳歌してほしいと願っています。
今から10年前に、出張の帰りに新幹線の窓から眺めていた白い本校校舎が、私の子供の頃の夢を覚醒させてくれました。そして本校に導かれました。中学生時代の夢を実現してくださいましたことを、神様へ感謝のお祈りをしている今日この頃です。そして皆様にご恩返しをしたいと思っています。
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