ただ今、2年生の福祉コースの生徒たちが連日、訪問介護員養成講座(ホームヘルパー)2級の現場実習を行っております。今年の6月からスタートした130時間の講義もいよいよ大詰めを迎え、残すところ5日間の実習を行なうだけとなりました。本日も5名の生徒たちが、各実習先でお世話になりました。生徒たちの奮闘振りを見学しようと施設のほうにお邪魔したところ、皆それぞれ素晴らしく輝いた表情で利用者さんと関わっている姿を見ることができ、安心して帰ってきました。まだまだおぼつか無い様子ではありましたが、懸命に利用者さんと関わろうと車椅子の方の目線に合わせてコミュニケーションを図ろうとしたり、笑顔でレクリエーションに参加している生徒たちの姿を見た時、とても良い経験をさせてもらえているなと感じました。
5日間の実習を既に終えてきた生徒からはこんな声もありました。
「利用者さんと一生懸命コミュニケーションをとろうと頑張ったのですが、会話がうまく続かないのです。どうしよう、どうしようと焦っているうちに、結局何も会話が無くてただ黙っているしかできませんでした・・・。」その生徒は、自分自身に対する不甲斐なさと無力さを強く感じているようでした。
私が「良い経験できたね。」というと、「えっ!なんでですか?」と驚いていた様子でしたが、その後、「確かに、始めは何も出来なかった自分が嫌になりましたが、午後からは割り切って何でもいいから話してみようと思ったのです。そうしたら、不思議と利用者さんも会話を多く返してくれて、凄く助かりましたし、有難いと思いました。それで、最後は『もう帰るの?』って聞いてくるんです。帰るときなんかは、『今日はありがとうね。また、明日もまた待ってるよ。』とニコニコしながら、手を振ってくれてるのです。午前中は、あんなに辛いと思っていたはずなのに・・・。自分のほうが話してもらえて有難いと思っていたのに・・・。ましたや、そんな私に『ありがとう』だなんて。帰るときには、涙が零れ落ちそうになりました。」
人の役に立ちたい。困っている人を助けたい。そんな思いから福祉を目指そうとする若干15・16歳の生徒たちを私は心から素晴らしいと思います。しかし、人の役に立つということは、「何かをする」とか「何かをしてあげる」ということだけではないのです。
まずは、自分自身が「生かされている」ということを感じなければなりません。自分一人では生きていくことが出来ない無力さを知り、数多くの方の支えがあって生きていられることを感じることが大切です。そして、その思いを感じた時、感謝の気持ちを持って相手を思い、寄り添いながら接することができるのです。そして、いつしかその人の笑顔が自分の笑顔となり、その人の幸せが自分のように幸せを感じられる。そういう介護が出来たら最高ですね。
福祉コースのみなさん、あなたたちは今、素晴らしい経験をさせていただいております。感謝の気持ちを持って、取り組ませてもらいましょう。
また、この場をお借りして、施設でお世話になっております関係者の皆様に感謝申し上げます。時節柄、お忙しい時期にも関わらず、生徒の実習にお時間を割いていただき、ありがとうございます。右も左も分からず、現場でご迷惑をお掛けしているかと思いますが、実習での様々な経験を今後の糧とし、社会に貢献できるような人材を育成していきたいと思っております。心より感謝申し上げます。
生徒の皆さん。寒くなって来ましたので、くれぐれも風邪にはご注意を!!(Y・I)