今日から総合グランドと野球場などの表土除去の工事が始まります。ご承知のように福島県内は原発事故の影響で放射性物質に汚染されました。本校は事故があった原子力発電所からは60㎞以上も離れていたため、それほど大きな影響は受けませんでしたが、生徒の健康や安全のため、精神的な不安を取り除くためにも、放射線量は限りなくゼロに近づけることが重要なのは言うまでもありません。そのための表土除去です。近隣の学校は夏休み期間を利用して除去の工事をしていたようです。しかし、除去した表土は未だにそれぞれの学校のグランドの地中に残されたままです。放射線量は低くなりましたが不安は残されたままで、根本的な解決にはなっていません。本校の表土除去工事も他校と同様に表土の入れかえをするだけで、削った表土を総合グランドの地中に一時保管する方法です。しかし、一時保管といっても「いつになることやら」といった不安が残されたままの工事です。10月30日の福島民報新聞の一面に、汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設を今後3年程度を目標に福島県内に整備し、廃棄物は貯蔵開始から30年以内に県外で最終処分するとした環境省が発表した工程表が載っていました。一言で3年と言いますが子どもたちにとっての3年間はかけがえのない3年間です。福島県内の子を持つ親は「自分たちは仕方がないが、子どもたちが可哀想だ。」と口々に言っています。「3年程度」など適当な回答しかできないのなら、今すぐ取りかかって欲しいものです。子どもたちにとって大切な時間、思い出は何ものにも代えられません。もし、それが無理ならば地中からの放射線量を遮断するような対策をして欲しい。例えば、チェルノブイリの石棺のようにコンクリートで固めラバーや人工芝を敷くなどして全天候のグランドにすることも考えられるのではないでしょうか?(私は、専門家ではないので、どれだけ効果があるのかは不確かですが都会の学校のように砂埃が舞う事を防止するために全天候の校庭にしているところもあるようなので、少なくとも放射性物質が空中に舞うことは防げるだろう。)いずれにしても、本来はやらなくともすむ工事に莫大な経費がかかるようです。震災で受けた校舎の修復に加えて放射能汚染による表土入れ替えの工事にかかる経費は、地方の小規模私学には重すぎる負担になります。11月4日の福島民報新聞の一面に、復旧工事のための補助の公立と私学との格差についての記事が載っていました。復旧にかかる経費は公立はほぼ満額補助され、私学は半額の支援にとどまり、上限は2千5百万円のようです。これでは、私学の経営は厳しくなってきます。震災と原発の被害は公立も私学も同じではないでしょうか。公立で学ぶ子どもたちも私学で学ぶ子どもたちも同じように補助されるのが当然ではないでしょうか。本校はキリスト教主義の学校ですが「神様に祈るしかない。」だけでは、あまりにも悲しすぎます。(T.N.)