進学実績のアップは、とりわけ私立高校にとって現実の問題として無視できない課題である。しかし、そのために受験予備校化し、部活などの情操面での教育をないがしろにしていいものだとは思わない。
「高校生活の限られた時間をどう使うか」
高校3年間という限られた時間で、国公立大、難関私立大に合格するだけの力を整えることは、何大抵のことではない。加えて、スポーツや文化活動に強い興味を持ち、それらに取り組む時間もほしいという生徒も多い。彼らの希望や才能を伸ばしてやりたいと願う一方で、受験に向ける時間も確保し、納得のいく進学先に送り出したいというのが、われわれ教師の願いである。また、部活に熱中する生徒も進学をないがしろにしているわけではなく、進学をめざす生徒も部活に関心がないわけではないのも確かである。そこで多くの私立学校では、「特進」「一般進学」といったコース・クラスを設置することで、この問題に対処している。本校でも、数年前までは同様の対処をしてきた。大学受験に専念し、補習授業などをギリギリまで組み込んだコース・クラスを設ける一方で、クラブ活動を意識して放課後などの時間に余裕を持たせたコース・クラスを設置して、生徒の希望や学力によって、それぞれのスタイルで学べるようにしている。進学か部活か、そのいずれかにウエートが偏るのはやむを得ないとしても、そのいずれについても、満足度を高めることはできないだろうか。それには、より効果的な学力向上を図る「仕組み」をつくらなければならない。
「自ら考え、達成する喜びを伴う学習スタイル」
本校では、まず授業を理解させることを重視しています。とにかく理解できたことの達成感を与え、自信をつけるまでに持っていきます。すると、自分自身で意欲的に学ぼうという意欲が達成感による喜びとともに湧いてくるので、必要な内容を短時間で効率よく学ぶ習慣が生徒それぞれに育ってくるのです。本校では、学研マイガクという教材を使って単元ごとの学習を行い、チェックテストを行い生徒一人ひとりのステップアップをはかっています。
「聖光学院ブロードバンドシステム(BBS)の導入」
しかし、残念ながら自力による達成感を伴う勉強法だけでは、ハイレベルな受験対策には不十分です。そこで本校が今年度から導入したのが、聖光学院ブロードバンドシステム(BBS)です。BBSは、プロの予備校講師50名による大学受験講座です。その数なんと155講座。1講座60分×2回の授業が20~30講で構成されています。基礎力養成から難関大学受験まで、入試に直結した即戦力の講座です。この講座を月々6000円で何講座でも受講可能なので、生徒一人ひとりの志望校に対応した講座が必ず見つかります。国公立・難関私大を目指している生徒が、自分だけの学習プログラムで、自分のスケジュールに合わせて、パソコンで受験の準備を進めることができるのです。現在、部活動との両立を図りながら、放課後や始業までの時間を有効に使って、学習しています。
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