授業や礼拝のとき、目がうつろになったり、窓の外をぼんやりながめたりということはありますか。私は小学校4年生のとき、授業中、透明っぽい定規で太陽を透かして見ると光が美しく反射するのが楽しくて、先生が隣に立っているのさえ気づかなかったことがあります。
地動説を主張した17世紀の科学者ガリレイに、おもしろい逸話が残っています。ある日、ピサの聖堂の礼拝で退屈になった彼は、何かおもしろいものはないかと周りを見回しました。すると、ひもでかけられたランプが振り子のように左右に揺れていました。そこで彼は、自分の脈拍を時計代わりにし、ランプがどれぐらいの時間で左右に振れるか(つまり、振り子の周期)をはかり始めました。
そして、礼拝の終わり頃にまたはかってみると、左右の振れ幅は変わっていたのに、往復する時間は変わっていないことに気づきました。
彼は家に戻ると実験を繰り返し、振り子の周期はおもりの重さや振れ幅にはよらず、おもりをつないでいる糸の長さだけによることを発見。そして今度は逆に、振り子の原理を用いて脈拍をはかる、脈拍計を発明したのです。
親の願いで医学の道に進んだガリレオは、しかし、このひとつの発明だけを医学界に残して天文学に転身。さらに偉大な業績を成し遂げました。
時にはよそ見をしてみると、思いがけない何かを発見するかもしれませんね。(辻)
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