私が顧問をしている弓道競技では、通常通り来月中旬に地区予選を行うことが決まりました。しかし、県北地区の大会でいつも使用させていただいていた高校の弓道場も震災の被害を受けてしまい使用できないことがわかりました。同じ規模の道場は県北地区にはなく、大会の競技内容変更による規模縮小を強いられる状況となりました。
しかし、そんなときに全く違う発想で打開策を提案してくださった先生がいました。その打開策は「体育館を使用できるか確認するから、了承を得られたら畳やベニヤ板などで安全を確保して体育館に射場をつくって大会を実施しよう」というものでした。近年、全国大会が屋内で実施される流れになっていますが、地区大会で体育館内に大規模な射場をつくってしまおうという発想は私にはありませんでした。
先日、その話が実現できるのか先生のところへ訪ねると配置図の案などがすでに準備されていて、それを説明する先生の口からは、試合を行う生徒の視点に立った考えが次々に出てきました。それを聞いていくなかで、この大会を実施できたら素晴らしい大会になることが確信できました。
震災の影響で規模縮小や開催が危ぶまれる競技もありますが、弓道競技は例年以上の大会を目指して動き出しています。「発想力と行動力、そして相手(生徒)の立場に立った思いやり」これは、まさに震災からの復興に不可欠なものです。それを、言葉と行動で示してくれた先生と出逢い、一緒に仕事ができることは本当に幸せなことです。
運動クラブに所属している生徒のみなさん、今まで積み重ねた努力を各競技の各学校の先生は無駄にはさせないはずです。競技内容の変更は出てくるでしょうが、運営する思いは例年以上かも知れません。自分の力、チームの力を十分に発揮して例年のように清々しい戦いをしてくれることを楽しみにしています。
「がんばろう 聖光!」