今野球部は秋季県大会の真っ最中。今日も白河高校と対戦し、6対0で勝利してベスト4に進出しました。明日も頑張ります。
ところで、初戦が終わったあとの20日の練習で、ある方たちが聖光学院の野球場を訪問してくれました。それが原町学園のスタッフと生徒達。原町学園とは南相馬市にある知的障害を持つ生徒さんの施設で、かねてから本校への訪問を希望していただき、20日実現したのです。
いらっしゃった生徒さんは約10名。とても野球が好きだそうで、この夏の大会もテレビで凄く応援をしてくれていたようです。国体と秋季大会も激励していただき、千羽鶴や色紙まで頂き、感謝してもしきれません。施設の生徒さん達とは写真撮影をしたり、今夏の甲子園メンバーのサインをねだられたり・・・(一番人気は斎藤監督でしたが)。
施設の生徒さんたちを見て思ったことが有ります。みんな凄く純粋な顔をしている!! 透き通っているというか、まっすぐというか・・・。施設長さんと少し話しましたが、一見すると普通の子と同じ。知的障害を持っていることは外見では分かりません。でも間違いなくそういう事情で施設に入っていて、親元を離れて生活している。やはり、社会生活というか、仕事が出来るような状態ではないそうなんです。でも、みんな素直で純粋な顔をしている。
うまくは言えないのですが、人間にはみんなそういった面を持っているんですね。純粋で素直な一面が。それがいろんな環境や、また生活の中で起きるいろいろな不都合によって、顔が曇ったり、暗くなったり、反抗心を持ったりしてくる。それが「顔」や「目」に出てくるんですね。
我々が生活をしているといろいろな事があります。良いことばかりではないですよね。時には人に裏切られることもあるでしょう。そうすると、我々の心は後ろ向きになり、表情が曇ってくる。自分もそんな中で生きていくために負けじといろんな知恵を働かせ、時には欲張りすぎたり虚勢を張ったりする。
我々教員は、生の人間を成長させていくという使命を持っています。悪いところを指摘するのは簡単ですし、その時に怒るのも簡単。でもいいことをすると、「そんなの当たり前でしょう」なんていって見過ごしたりする。でも、人にはみんな原町学園の生徒さんと同じように、純粋で素直な面を持ち合わせているわけで、それを引き出すというか、一言で言えば「良いところを伸ばす」といった考え方をしっかり持ち、そして実行していくことが大切だと再認識しました。
施設長さんから最後に、「これでこの子達も明日からまた頑張っていけます。ありがとうございました」と言って頂きましたが、とんでもない!! こちらの方こそ、こんな機会を頂いたことに感謝を申し上げなければなりません。「野球」という限られた世界だけで、ちょっと強いとか言われたってなんの意味もないんですね。こういう機会が我々に気付きを与え、そして成長できる、そう思っています。
原町学園の皆さん、本当に有難うございました。我々も秋季県大会、そして国体を全力で頑張りたいと思います。皆さんも、苦しいこともあると思いますが、ぜひ充実した毎日を過ごしてください!! (Yokoyama)