甲子園で繰り広げられた熱い戦いの余韻も消え去らぬまま、昨日より本校においても新学期がスタートいたしました。ここ県北地区にも猛威のインフルエンザが流行しつつあると耳にしますが、朝登校してくる生徒達の顔には、そんな影響を微塵にも感じさせないような爽やかな笑顔が満ち溢れております。
本校は、野球部以外でも活気に満ち溢れている部活動が数多くあります。強化指定となっているサッカー部や女子バレーをはじめ柔道、卓球、剣道、ハンドボールなどなど。運動部以外にもハンドベルなど多方面にわたり、熱心な指導者の下、目標を達するべくして練習に励む生徒達が数多くいるのです。その生徒達が朝練を終えて、すれ違う方達に「おはようございます。」と、すがすがしい爽やかな風を運んでくれるのです。その心地よさは相手を幸せな思いにさせ、一番の活力剤となるようなエネルギーを与えてくれます。
それぞれの部活動においては、3年間の歩みの中で決して他には譲ることのできない目標はあると思いますが、その根底となる大事な「人づくり」が各部の活動を通して確立されているのだと思われます。
野球部の生徒の中でも、入学時はレギュラーになって甲子園を目指すという目標を持ちながら、希望してくる子が数多くいます。しかし、最終的には全員がベンチに入れることはできません。外れた生徒も3年間、さまざまなものを犠牲にしながら、懸命に努力を重ね、困難を跳ねのけながら自分を鼓舞し奮い立たせながら日々格闘してきたと思います。その中で、自分を成長させるために大切なことは何かという本質に触れることができるのだと思います。甲子園のマウンド上で強豪チームに臆することなく、勝負を挑み続けたエース横山などレギュラー選手も逞しく成長してくれましたが、チームのために懸命に支えてくれる彼らの歩みも逞しいものです。そんな彼らが引退した後も後輩達の為にグランドに足を運ばせ、後輩達の指導や環境作りに取り組んでくれる姿には成長を感じるとともに、感動を覚えます。
勝負の世界に立つ以上、負けることは許されませんが、高校生活という3年間の中では成し遂げることができなくても、人生において成し遂げることができる。そんな一人一人を作りあげることができる環境は、本校の誇りですし、そういう生徒達と巡り会えることが我々教師にとって一番幸せなことだと思います。(Y/I)