昨日朝8:00前、携帯の電話が鳴った。誰かなって見たら、3年前の卒業生の「彼」からだった。えっ!?これには驚いた。なぜって、こいつだけは卒業後二度と会うことはないだろうなって思っていた奴だったから。
彼は在学中、とにかく無気力だった。面倒くさいことは大嫌い。担任だった私でさえ、受け入れている様子は全くない。関わって欲しくないオーラ?が出ていたくらい。そんな彼の携帯番号がなんで私の携帯に登録されていたのかって?そりゃ、彼は遅刻の常習犯で、朝彼に連絡するために聞き出していたわけ。大事な大事な卒業式だって遅刻だから・・・。
そんな彼が「相談がある」と電話してきた。実はちょっとしたことから在学生と知り合いになって、悩み事の相談にのってあげていたらしい。それで「だったら俺の担任だった先生に話してあげるから」って電話してきた。「先生、何とかしてやってくれ」って・・・。「とにかく今日仕事終わったら学校に行きます」って。えっ!?あいつ俺のこと嫌いじゃなかったんか?
来ましたよ学校に。もう二度と会うことのないと思っていた彼が。そりゃあ、嬉しかった。一通り相談ごと聞いて、「何とかできるように努力する」って約束して、あとは昔話。いやあ、楽しかった・・・というよりやっぱり嬉しかった。
そんな彼が、私が席をはずしていた時に、別の先生に言ったんだって。入学早々めちゃくちゃ担任に怒られたことがあるって。でも本当はあの時凄く嬉しかったって。中学のときは誰も怒ってくれなかった。だから本気で怒られて嬉しかった。でも、素直になれなくて、自分自身譲れないところもあってふてくされていましたけどって。あの人が担任じゃなかったら、とっくに学校辞めてましたって・・・。おーい!泣かせんじゃねえよ!!そんな青春ドラマみたいな話し・・・。でも本当にそう言っていたんだって・・・。
教育とは、流れる川の水に字を書くようなものだ。しかし、その一字一字は岸壁に書くが如く、しっかりと力強く刻み込むように書かなくてはならないって言った人がいます。その言葉を思い出しました。毎日毎日同じことの繰り返し。何回言っても変わらず、伝わらず。いい加減疲れた・・・。こいつらに何言ってもだめだ・・・なんて諦めちゃいけないんです。伝わっているんですね。子供は相手が真剣かどうか見極めるプロです。真剣に接すれば、必ず伝わるんです。そう信じてこれからも頑張ろう!!って思いを新たにした一日でした。
そう、彼がこんなこと言ってました。「先生、俺もっと資格とっておけば良かった」って。今彼は働いてはいますが、まだ正社員ではありません。仕事探すにも、「資格」がなければ凄く不利だって言っていました。「俺、高校時代何やってたんすかね? それだけは後悔しています。」高校生諸君、これこそ生きた教材ですよ。
彼ともう一人、在学中ふざけた奴がいました。今度、三人で飯でも食おう!!そう約束して、昨日は別れました。その日が本当に楽しみです。(HY)