あの｢特別な夏」の終焉から約1ヶ月。第63回秋季東北地区高等学校野球福島県大会が昨日開幕し、今日初戦を迎えました。福島県高野連の規定により、甲子園で1勝以上すると予選を免除されるため、新チームにとっては今日が公式戦の初戦。夏の余韻覚めやらぬ中、来春の選抜大会への道のりがスタートしました。
初戦の相手は会津地区の会津高校。聖光学院の先発は新エース岡野祐一郎君。岡野君は初回、先頭打者を一塁手の失策で出塁を許しますが、2番打者の送りバントを高目の直球でピッチャーフライで打ち取ると、続く3番打者の時に1塁走者を牽制でおびき出す落ち着いたマウンドさばきでツーアウトとします。この後3番打者を四球で出しますが、4番打者を力のあるストレートで三振で斬って取ります。ややストレートが高目に浮きますが、上々の立ち上がりと言えるでしょう。
一方打線は初回からチャンスを作ります。今日1番に起用された京田世紀君が相手左投手の変化球をセンター前に運んでチャンスメイク。続く2番平野雄馬君が四球を選ぶと、甲子園を経験した斎藤湧貴君がしっかりと送って一死二・三塁。最高の形で新4番1年生の園部聡君を迎えます。しかし園部君の当たりはショート正面へのゴロで凡退。続く5番長井涼君もピッチャーゴロで倒れて先取点はなりませんでした。
2回・3回と相手の経験豊富な左腕福田君に緩急をつけられ打ちあぐねますが、4回に打線が爆発しました。先頭の4番園部君がライト戦へのツーベースヒットで出塁すると、二死一・二塁から8番安西聡君が変化球をセンター前に運んでまず1点。9番の岡野君が四球を選び満塁とすると、1番京田君が三遊間を破る2点タイムリー。さらに、2番平野君が再び四球を選ぶと、3番斎藤君がツースリーからセンター右へこれまた2点タイムリー。トドメは園部君がレフトフェンス直撃の4番打者らしい豪快な一打を放ちこの回7点目。さらに5番長井君がライト前へ技ありのクリーンヒットでチャンスを広げると、河合君の代打関根涼君がツーアウトながらサード前へ絶妙なセフティバントを決めて一挙8点を挙げました。ツーアウトから2四球を挟んでなんと6連打で怒涛の8得点で勝負を決めました。5回にも安西君のスリーベースヒットと京田君のタイムリーで2点を挙げ、5回コールド勝利をおさめました。
投げてはエース岡野君が2回以降会津打線をパーフェクトに抑える好投。2回は直球のみで押す力の投球を見せると、徐々に高目に浮いたストレートを低目に集める修正能力も披露。さらに抜け気味のスライダーも5回には低目に集めて2三振。初戦の緊張感が漂う展開に、エースとして完璧に相手打線を封じ込む貫禄を見せてくれました。
前チームはドラフト候補生歳内宏明君、芳賀智哉君がマウンドを守り、公式戦の登板がなかった岡野君でしたが、見事な公式戦デビューとなりました。また、打線では新戦力が活躍。中学生時代は控え選手だった京田君は1番打者として4打数3安打3打点と大暴れ、先制タイムリーの8番安西君も3打数2安打、そして1年生で4番の園部君は地元のいわきで鮮烈デビューと、投打ががっちりかみ合った聖光学院は、最高の形で2回戦に進出しました。
2回戦は今日の第2試合で平工業を投打で圧倒した同じ県北の福島東高校となります。球場は今日と同じいわきグリーンスタジアムで明後日の10時試合開始です。皆様、新チームも応援よろしくお願いします!!