本日開成山球場で行われた、第92回全国高等学校野球選手福島大会の準々決勝は、これまで驚異的な粘りで勝ち上がってきた会津工業と対戦しました。
会津工業は、1回戦から登場し、若松商業、福島西をやぶると、3回戦では第8シード福島商業を2対0、続くいわき光洋にも2対0の完封勝利を挙げて勢いに乗っています。その立役者がエースの村岡拓美君。その村岡君に苦しめられる展開となりました。
聖光学院の先発は初戦で快刀乱麻の投球を見せた歳内宏明君。しかし、今日は立ち上がりの調子は今一つでした。先頭打者にいきなり右中間に二塁打を放たれ、送りバントで一死三塁、続く三番打者に一・ニ塁間をやぶられてあっさり先制を許します。なおも死球などでピンチを迎えますが、6番打者を三振にきってとり、何とか最小失点に抑えます。
その裏、聖光学院は今日1番の根本康一君がファーストへの内野安打で出塁すると、2番村島大輔君が四球、3番山口宏希君が送り、4番遠藤雅洋君も四球で満塁、5番三瓶央貴の2球目にワイルドピッチですぐさま同点に追い付きます。一気に大量点、という流れでしたが、ここで大きなミス。三塁走者となった村島君が、相手投手の三塁牽制球に誘い出され、まさかの憤死。三瓶君も内野フライに倒れ、追加点は挙げられませんでした。
2回には先頭の斎藤英哉君が右中間に三塁打を放ちますが、7番板倉皓太君がサードライナー、8番星祐太郎君のショートゴロで三塁走者が本塁で憤死、その後星君も盗塁失敗と、完全に流れを手放す嫌な流れ。3回もスコアリングポジションに走者を送りますが、無得点と接戦の様相を呈してきます。
しかし、その嫌な流れを断ち切ったのは斎藤英哉君でした。4回、内野フライ失策で出塁した三瓶君が、何と牽制球で逆を突かれ、一・ニ塁間に挟まれます。ここでアウトになれば、完全に会津工業ペースとなるところでしたが、三瓶君は送球ミスで二塁に進塁、このもらったチャンスを6番斎藤英哉君がしっかりものにしました。アウトコースの難しい球をレフト線に見事なタイムリーヒット! 勝ち越しに成功します。6回には4番遠藤君の右中間への二塁打のあと、5番三瓶君が追い込まれながらセンターへクリーンヒットを放ち3点目。さらに斎藤英哉君がこの日3本目のヒットでつなぐと7番板倉君のスクイズで4点目を挙げます。そして、7回。先頭の投手歳内君が、カウント2－1からの4球目を振りぬくと、打球はレフトへ高々と上がり、これがなんとスタンドイン!! 見事なホームランで決定的な5点目を挙げました。
一方先発の歳内君は、2回以降立ち直り、尻上がりに調子を上げていきます。特に6回以降は緩急を織り交ぜ、ボールも低目に集まりだし、相手打線に自分のスイングをさせません。四死球こそ4個を献上しますが、被安打は5。奪三振は6個と悪いながらに1失点に抑える好投。投げるたびに絶好調というわけにはいきませんので、調子の悪かったこの日に我慢の投球ができたのは収穫だったでしょう。
今日の試合は前半にミスが集中し、非常に苦しい試合でした。しかし、これが｢夏」です。いろいろなことがありますし、全てが上手くいくはずもありません。勝ち残った各チームも、接戦を経験し、苦しみながら勝ち上がってきていますので、条件は一緒。次の試合も一つ一つ丁寧に、心を込めて戦って欲しいものです。
皆様、準決勝も応援よろしくお願い致します!!