昨日(6月15日付)の福島民友の新聞に日本人の死因別、都道府県別の死亡数)に関する2015年調査の結果が発表されました。
本県は都道府県別の急性心筋梗塞で男女ともワースト1位という残念な結果であることを知りました。
その他にも、脳梗塞は男性7位、女性5位(2010年では男性5位、女性1位)だったという。
(参考までに、心疾患は男女ともに4位、自殺においては、男性7位、女性4位だった。)
本県が目指す、介護なしで自立して生活できる「健康寿命」を延ばすにはこうした病気の予防が求められるが、震災後も続く厳しい状況が浮き彫りとなった。
では、予防していくためには、何が必要なのかを調べてみました。
心筋梗塞や狭心症などは、寒くなるにつれ起こりやすい病気の一つであります。
その予防として、特に注目されているのが食事との関係です。
患者数の多い欧米では、早くから食事との関係が重視され、研究が進められてきました。最初に注目されたのは、グリーンランドなど北方地域に暮らすイヌイットの人々の食生活でした。
魚類や※アザラシなどを多く食べるイヌイットには、急性心筋梗塞を起こす人が非常に少ないというのです。
(※ アザラシは、魚類を主食としています。)
調査の結果、イヌイットの人々の血液中の脂肪分には、魚類に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多いことがわかりました。DHAやEPAといえば、日本では脳の血流をよくする成分とされています。
昔から魚をよく食べていたはずの日本でも、近年になって心疾患の予防が重要なテーマとなっています。この30年間の死亡者数の推移をみても心疾患は増加傾向にあるのです。
その背景には、肉類など脂肪分の多い食事が日常化し、逆に魚を食べる人が減っていることが指摘されます。
厚生労働省の研究班による調査によると、魚を食べる量が最も多いグループ(週8回、1日当たり180g相当)は、最も少ないグループ(週1回、1日当たり20g相当)と比較して、心疾患を起こすリスクが40%も低いことがわかったのです。特に心筋梗塞に限ると、約55%もリスクが低い・・・つまり半分以下という結果になっています。
この調査から、日本人の場合にも「魚を多く食べると心筋梗塞の予防効果がある」ことと、「その主役がDHAとEPAである可能性が高い」ことが判明しました。
福島県の皆様、肉類も大変美味しいですが、将来のことも見据え、魚類を多く摂取し、心筋梗塞などの病気を撃退しましょう。