今年度が始まって約2ヵ月が経ちました。授業を見ていると1年生の皆さんはある程度学校に慣れてきたのではないかと感じています。
最近、授業で私が発言した歴史的用語について、その場で辞書等を使い調べる生徒を見かけました。様々な事例について自身で調べ、吸収しようとする能動的な試みは勉強する上で非常に重要です。
実は最近私たちが日頃使用している身近な言葉の中に考えるヒントが隠れていたりするのではないかと思ってます。
例えば「林」と「森」という漢字があります。
それでは問題ですが「林」と「森」の違いは何でしょうか?実はこの点については私自身もよくわかっていないのです...。
ただ私が尊敬する先生はこんなことを言っていました。
『古事類苑(百科事典の一種)』に「林」とは「生やすことなり」と書いてあるというのです。誰が生やすのでしょうか?もちろん人ですよね。要するに昔の人々は林を生やすことによって生活の糧にしていた(防砂林をつくる。薪などを集めることで燃料にする。木の実の採集など)
それでは「森」は何でしょうか?鬱蒼とする森の中には神社などが多いですよね?故に森とは守り神的なもの?守り(マ・モリ)(森)???うーん、何か「森」はしっくりきませんね...。この点についてはまた考える必要がありそうです。
上記のこと以外にも「林」と「森」の違いについては様々な観点から説明が可能でしょう。ただ「林」「森」の違いなんて、そんなこと面倒くさいなと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、言葉の意味を考えることは自身の理解を深めるのにプラスになると感じませんか?ハンナ・アーレントは「理解」について以下のようなことを言っています。
「注意深く直面し抵抗すること」
簡単にいうと無条件に受け入れず、考え抜くこと。これが「理解」です。
是非、皆さんもハンナの説く「理解」を実践してみて下さい。