先日ある卒業生から電話があった。
野球部に在籍し、文武両道。大学進学を目指したが、残念ながら合格は果たせなかった。
行ける大学はあったのだが、彼は浪人の道を選んだ。
なんの電話だったのかというと・・・
「お久しぶりです!自分、これからセンター試験を受けに行きますので、その御報告に電話しました!」
清々しくそういう。「おー、そうかそうか!この一年勉強頑張れたか?」そう問うと、
「自分この一年間、本当にやりきることが出来ました。やりきるんだということは、野球部の3年間で学んだことです」
「どこを目指すんだ?」と聞くと「上智大学です」・・・えっ?上智?お前が?正直驚いた。
聞くと成績も尋常じゃないくらい伸びている。これは凄い。
しかし、なぜ受験前に電話してきたのか・・・。合否報告なら分かるのだが・・・。
たぶんその時彼は、戦地に赴く兵士のような感覚ではなかったか。
「これから行ってきます!!」と言いたかった。やることはやってきた。だからこそ、出陣前に電話してきたのだ。
高校時代ベンチに入れなかった彼にとって、レギュラーとして夏の大会に臨む選手のような感覚なのだろう。
思う存分戦って来い!電話を切る時、私はそう声をかけた。
やがて彼から結果報告があるだろう。その時、結果はともかく私は「よくやった」と褒めてやりたいと思う。