教師の使命って、なんだろうか。
「生徒を伸ばす」ということはよく言われる。うん、大事な事。我々教師は、生徒を伸ばしていかなくてはいけない。これ、間違いなく「使命」と言っていいこと。
でも、何にもしなくても、伸びる子もいる。これも事実。もともと意欲があって、目標があって、研究熱心で、こういった生徒は自分で伸びていく。でも、それはごく一部。植物も、太陽があって、肥料をやって、水をやって、そうやって成長していく。それは人間も同じ。
だから教師は、時に太陽になり、肥料になり、水にならなくてはならない。そういった存在にならないといけない。
じゃあ、「伸ばす」ためには何が必要か。それは生徒を「変える」ということではないか。そう思う。
子供にも、今までのいろいろな環境があって、知識があって、常識がある。これまで蓄積された「価値観」がある。
その「価値観」をあるときには変えていかなくちゃいけない。またあるときには、そこにプラスの上乗せをしていかなくてはいけない。
じゃあ、どうやってその価値観を変えていくのか。それはまだ生徒が触れたことのない知識、考え方を提示することが大切だ。
世の中にはこんな考え方がある。我々の周りにはない、こんな素晴らしい景色だってある。こんな美談もあれば、あんな苦境から立ち直り、素晴らしい成果をあげた人だっている。
そんな生徒の知らない「世界」を見せていく。
そうやって彼らの中の価値観が新たに創造されていく。これが「成長」であり、「変える」ということにつながっていく。
だから読書って大切だと思う。自分の知らない世界、価値観がそこに溢れている。本を読まない手はない。
昔、学生の頃、通学に2時間もかかった。電車の中で私はいつも本を読んでいた。でも、今たまに電車に乗ると、本を読んでいる人が少ない。みんなスマホを持っている(スマホで本を読むことも出来るが…)。メール?ゲーム?
もったいない。世の中便利になっているけど、それって本当にいいことなのか。我々は生徒に心の豊かな人になって欲しいと思っている。でも、世の中が貧しい心を生み出している。そんな風に思ったりもする。
我々教師は、生徒の成長期に一番密接に関わるとてもやりがいのある職業だ。こんな世の中だから、どうやって子供を伸ばすか、変えるか。我々の責任はとても大きい。
今日の午後、文化交流会がある。これも、生徒の価値観を変えるための一つの行事だ。生徒の知らない世界に触れさせるということだ。学校の行事って、そのためにあるようなもの。異文化に触れる…修学旅行だってそういうこと。どんな交流会になるのか、楽しみ。
もちろん我々教師にも、それは異文化、知らない世界。だから我々も、生徒と共に成長することができるんだ。
学校って、やっぱり大切な場所なんだ。教師って、凄く大切な仕事なんだ。今更ながら、そう思う。(Yokoyama)