既にNEWSにて掲載されてますように、一昨日、本校にて平成25年度の入学式が行われました。初々しい顔ぶれが並び、微笑ましい姿が印象的でした。その後、各運動部に所属する寮生の入寮式も併せて行われ、本年も数多くの寮生が集まってくれました。本校の寮生は、野球部をはじめとして、昨年選手権大会を制したサッカー部や剣道・卓球部などの寮生もおります。それぞれが高校生活のステージで頂点を目指しながら、日々懸命に練習に取り組んでいる姿を目にします。
ご周知の方も多いかと思いますが、本校の野球部は、生徒の勧誘は一切行っておりません。遠方の生徒はもちろんのこと、地元の中学校の選手もほとんどわからないのです。わからないというより、中体連の大会や各所属チームの試合を見に行く機会がないため、選手の情報がないのです。この方針は、齋藤監督が就任し、甲子園に出場する前からの流れを一切変えてないやりかたなのです。確かに、中学校で活躍する生徒をピックアップし、センスのある生徒たちを鍛え上げたほうが全国制覇への道も近づくのかもしれません。
しかし、それではウチならではの野球ではないのです。第一に、現場で預かっている生徒を放っておいて中学生の野球を見ている時間はありません。現場の今いる生徒が第一ですし、その生徒たちと懸命に取り組んできた結果が今日の聖光学院高校野球部であります。
また、勧誘した生徒はその一瞬は良いのかもしれませんが、新しい年になれば、また勧誘された生徒が入ってくるシステムになると思うのです。上手く成長を遂げられていればいいのですが、そうでないと悲劇ですよね。何をするにしても最終的に自分の意志でなければ本当の成長には繋がりません。
要するに、集めた戦力よりも自分の強い意志によって集まってきた戦力のほうが鍛え上げやすいと思うのです。また、集まってきたということは、そこに何か魅力を感じてくるのだと思うのです。他に無い魅力こそが聖光学院野球部なのだと思うのです。
そういう選手が今年も多く集まってきてくれたことは心から嬉しく思います。若干15歳の少年が親元を離れ、生活を送るということは並大抵のことではありません。この先、良いことばかりではなく、苦しいことや辛く悲しいことも多々あるかと思います。そんなときは、一つ屋根の下で暮らす仲間や先輩たちと力をあわせ、乗り越えて大きく成長してほしいと願います。そして、最後は福島県の代表選手として相応しい男になってくれることを期待しております。(Y・I)