ニュースでも記載されているように、本日、平成24年度の入学式が行われました。真新しい制服に身を包みながら、保護者の方と登校してくる姿は、とても初々しく感じました。まだ身の丈よりも大き目の制服姿は、まだあどけなさを感じますが、3年後、卒業する頃には、一回りも二周りも心身ともに大きく成長していくことをイメージすると、とても微笑ましく思えます。
教師という職業をしていると、とても不思議な感覚を覚えます。一ヶ月前には、3年間苦楽を共にした卒業生との別れに涙をしながらの惜別となっていたはずが、一ヶ月が過て4月を迎えると、今度は、新しい出会いに心が躍るような気持ちになるのです。たくさんの生徒たちと出会えるこの職業は、本当に幸せなものであると実感します。ましてや、今年の新入生の数は、272名と定員を大きく上回る人数です。少子化が進む今日において、私立高校でもある本校の門を叩いてくれた新入生と保護者の方々には、心から感謝申し上げます。
しかし、本当の意味で大切なのは、これからの3年間の歩みです。入学に至るまでは、各々において、様々な経緯があったと思われます。志を高く持ち、目標を実現させるために本校を選んだ者もいれば、第一志望とする公立高校を受検したものの、残念ながら不合格という通知を受け、やむなく入学を許可された者。もしかしたら、自分の意志ではなく、周囲の人に進められたことによって、受検した者もいるかもしれません。しかし、いずれにしても集められた縁なのです。自分の力だけでは動かしようのない、何か大きな力が働き、選ばれてきた者たちなのです。それを感じた時、自分自身の人生がより豊かなものに変わるのではないかと思います。また、本校においては、そういうヒントを与えてくれる環境にあると自負しております。未熟者である私が、諸先生方を見て、つくづく感じさせられます。生徒を想い、生徒と一緒に歩みし、導き出す指導は他校にはない魅力を感じます。ですから、先述したように、3年間を生徒たちの目線に合わせ、真剣に歩まれた信頼関係があるからこそ、生徒たちと一緒に涙することができるのだと思います。今はまだ、不安が大きい新入生も多いかと思いますが、目の前にある喜びを感謝し、これからの人生の土台作りの3年間にしてほしいと願います。
午後からは、部活生を対象とする入寮式が行われました。野球部においては、先日行われたセンバツ大会が終わった翌々日から寮生活が始まっていましたが、正式に入寮を許可される式が催されました。保護者の方々にも同席していただき、学校長、舎監、部活動顧問からの説明が行われ、ある顧問の先生の話の中では、保護者の方が感涙するような一幕もあり、とても感動的な入寮式となりました。いつの時代でも愛する子供を想う気持ちは変わりません。まだ、右も左もわからない若干15歳の少年たちを断腸の思いで送り出していただいた保護者の方々には、頭が下がる思いであります。だからこそ、子供たちには自分の意志で厳しい道を歩んで欲しいと望みます。狭く厳しい道を切り開いた男だからこそ、その先に見えてくる世界があると信じます。
3年後、新入生たちがどういう大人になっていくか、今から楽しみを感じる一日でした。(Y・I)