NEWSでも掲載されたように、本日10時より第50回入学式が挙行されました。震災の影響により、真新しい制服に包まれた新入生の初々しい姿ではなく、中学校で愛用していた制服に包まれながらの入学式となりました。いつもとは違う光景でしたが、例年以上に感動が一入でした。
大震災が起きてから今日でちょうど一ヶ月となります。災害当時は、明日の事さえも考える余裕もなく、その日一日が無事過ごせることだけを常に祈りながらの生活でした。水も電気もガスも出ない。停電の影響や食料の確保ができないため開いている店も少なく、街並みは閑散としていた。挙句の果てに燃料不足となり、道路はガソリンを求め、一車線しかない道路の両側に長蛇の列となり、車が走れないほどパニックの状態であった。瓦や塀も崩れ、震災の痕跡が生々しく残されていました。そんな絶望に目を伏せられる思いの中、今日という日々を迎えられたことは、神様の恵みと日本の力、そして人間の大きな力を感じずにはいられません。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
今、福島県は原発の問題等により、様々な風評被害を被っております。多くの県民は、未だ先行きが見えない不安から大きな心の傷を負っています。何の罪もない、小さな子供たちさえ、悲しみに明け暮れているのです。先日、伊達市の青年会議所が主催する被災地の卒業生向けに行われた「旅立ちの式」という会に参加させて頂きました。7人という参加者でしたが、たくさんの方々の温かい想いが込められた手作り感のある素晴らしい卒業式でした。私も野球部の生徒達と一緒にボランティアとして参加させていただきましたが、小さな子供達が入場する時から、背負うものの大きさや背景にあるものを想像するだけで、感情が震え涙が止まらない状態でした。人が人を支え、笑顔や笑いが人に大きな力を与える。苦しみの淵にある福島県だからこそ、これからの福島県を背負う若者は前を向かなければならないと思うのです。
本日、入学式を迎えた生徒は250人です。そのうち、40名が地区外や県外から来た寮生となります。様々な悩みに苦しむ県内ですが、彼らの活躍が全国に飛躍し、福島県を救う救世主となってくれることと祈っております。
(ISHIDA)