先日、ある工業高校へ研修へ行ってきました。その高校では工業科から毎年、国公立大学へ数名合格者をだしたり、就職実績でもほぼ毎年100%という実績のある工業高校です。その高校では、過疎を免れない地域性から年々、入学者数が減少してきているが、生徒達を少しでも伸ばそうと必死に取り組んでいる姿にとても感動した。
その取組を紹介すると、朝自習0校時である。通常の授業が始まる8時30分前に、7時30分から作文指導を行っている。交通の事情などから6名程度の参加であるが、毎日行なわれており、進学の際に出題される小論文対策で受験までにはかなりの実力を付けることができる。次に、放課後指導である。国語、数学、理科、英語の4科目においてオリジナルのテキストおよび問題集を作成し1年生の3学期から卒業まで、毎日個別指導を行う。また、その科目については宿題を出し、学習の習慣付けを行なう。出来ない者には出来るまで、休み時間や放課後を利用し徹底して指導する。そのことにより、家庭学習は勿論のこと学校での授業の学習を充実させている。資格試験や大学受験の7校時から9校時の活用。課外授業の達成目標として英検二級、数検二級を設定し指導している。ここに紹介したのは一部であるが、そのほかにも多くの取組を行なっている。これを見ると放課後の部活動は出来ないと思われるが、生徒達は部活動も必死に取り組んでいる。現に訪問した日に野球部やテニス部などが活発に活動していた。
私は今回の研修で思ったことがある。上記のように指導方法や時間設定など、文章にするととても簡単に思ってしまうが、実際に現場を見てみないと、この取組のすごさは絶対に感じることができない。簡単に言葉や文章で表されるようなものではないということである。私はよく、「できないから、しょうがない」「○○があるから出来ない」「時間がない」「○○のせい」など言い換えれば「言い訳」ばかりをしていたことに改めて気付かされた。そして、生徒を伸ばすということについて深く考えさせられた。
後日、この学校をよく知る先生に電話でこんなことを聞いた。「最初から今のような学校ではなかった。学校として向う方向を明確に定め、取り組んできた成果であり、最初に取り組んだ先生方は自分の生活をも犠牲にして必死に取り組んでいた。それが学校の伝統として残り、現在に至っている。」「何でも最初にやるのは大変だよ。」「何よりも先生方の情熱があるからだよ。」
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