私の近所では今の季節、干し柿作りに大忙しです。朝の通勤路からは畑の柿のオレンジ色がまるでカーテンのように広がっているのが見えます。
一方帰り道は、どの家にも夜遅くまで(この辺では「夜わり仕事と」いいますが)柿剥きをしている作業場に温かい灯りがともり、遠くから見るとさながら灯籠のようです。生徒の皆さんもきっと気がついていることでしょう!
干し柿はこの辺の農家では米に並ぶ一大収入源! 一本一本の木から一つ一つ柿を取り、枝を切って、へたを取り皮をむいて、縄にかけて干す……。大変な作業を一家総出で作業する!!といった感じでしたがだんだんと農家の高齢化が進んでいるようです。私も子どもの頃は柿剥きの手伝いをしていましたが、勤めに出てからは休みのにちょっと手伝うといった感じになってしまいました。
そこで現在ではその重労働を機械で補うようになりました。最新の技術では柿をお皿のようなものの上に並べて置くだけで、数十秒後にはきれいにむかれて出てくるという機械もあるそうです。
家族で夜遅くまでいろんな事を話ながらお手伝いをしたのは、作業場の灯りと同じように懐かしく温かい思い出になっています。機械化が進み、大変ながらもそういった家族の結束を感じる機会が少なくなったのはちょっとさびしいような気もしますが、なくては作業も成り立たない。つまりは経済的にも成り立たない。この現実とのジレンマが悲しいように思います。家族の形が変わり、また様々な技術が進化している現代。幸せとは何か改めて考えるこの頃です。(c.s)
コメント