思い起こせば、一年前の校内文化祭のステージ発表において、我がクラスでは「よさこい」を全校生の前で披露させていただきました。きっかけはクラスの一人の女子生徒が提案した企画に何人かが興味を示し、クラス全員参加で取り組もうということになったのです。(この時点で、クラスの団結力がなかったのは事実です。)放課後など自分の時間に使いたい生徒もいたため、一部の生徒からは不平不満の声も聞こえてきました。しかし、日が立つにつれ、生徒達の心の中に「みんなの力をあわせて、このよさこいを成功させたい。」という思いが強くなってきたのです。初めこそは限られた生徒達だけでしたが、昼休みに体育館のステージを借りて練習に取り組んだり、放課後には教室で音楽にあわせながら真剣に打ち込んでいる生徒達の姿がありました。そのひたむきに励む姿に、周囲の生徒達にも同じような感情が芽生え始め、一人、また一人と輪の中に入ってくる者が現れてきました。遅れを取り戻すため、振り付けを覚えた子はできない子に教えたり、全体の動きを確認するリーダーが生まれたりと、いつしか生徒達の心には相手を思いやれる優しさとお互いを支えあう団結力が育まれてきていたのです。
先生方の理解や協力もあり、本番当日は今までの練習の成果を十二分に発揮し、生徒達は見事に息のあった「よさこい」を発表してくれました。踊り終わった生徒達の表情は、満足感と安堵感に満ちており、その光景に私自身、抑えることのできない熱く込み上げてくる感情がありました。
そこまでの道のりは決して平坦なものではなかっただけに、その壁を一つ一つ乗り越えてきた生徒達は「よさこい」を通して、大きく成長させられたような気がします。一つの形を作り上げるまでの作業は、並大抵なことではできませんが、その作業を惜しまず成し遂げることにより、最終的には見事なものを作り上げることができるのだと思います。
さぁ~、今年の学院祭は三年に一度の一般公開となります。その公開まで残された期間はあと一ヶ月。時間に追われながら生徒達は今、お互いに意見を交わしながら、よりよい学院祭にするために一生懸命取り組んでおります。
10月17日、皆様の来校を楽しみしております。