イエローハットの創業者、鍵山秀三郎氏をご存知でしょうか。私などが言うまでもなく大変立派な方で、その著者などで色々と勉強させて頂いています。
鍵山氏は、今の世の中は「効率化」「能率化」などと言われているが、本当にそれはいいことであろうか、自分の能率を上げるために、本来やらなければならない事を他にまわし、自分さえ良ければそれでいい、というようなことになってはいないだろうかと仰っています。
確かにそうですよね。本当に無駄があってそれを省くのはいいと思います。でも、自分がやるべきことをやらずに、他にしわ寄せがあるとしたらこれは大問題です。私は思うのですが、一見「無駄」に見えることでも、そこにはうんと意味があることって多いと思うんですよね。なんでそこまでやるの?なんでそんなことやるの? こういうことってよくあります。でも、その人にとってはもの凄い意味があって、それをやるから、その「こだわり」があるからその人は成功している。このこだわりって結構大事なんですね。
鍵山氏は「掃除」を大事にしていらっしゃいます。トイレ掃除の話しは有名ですよね。荒れた学校の、落書きなどで汚かったトイレをきれいにしたら、学校が良くなったなんていう話しもあります。掃除なんか、やったって直接利益あがんないじゃん、と思うかもしれませんが、そんなことないんですね。例えば教室にごみが落ちていて、私もよく拾ってくれ、なんて言います。そうすると生徒は、「これ俺が落としたんじゃないっす」って嫌な顔をする。でも、それは間違いだって。自分の出したごみを拾う、または落とさないのは普通です。でも、誰が出したか分からなくても積極的にそれを拾う。そうすると、そのゴミを出した人はどう思うか。自分の落としたゴミを他の人が何食わぬ顔で拾っている。その人はきっと、「悪いことしたな」って思うでしょう。そういうことを続けていけば、やがてその教室はゴミひとつない環境になるのではないでしょうか。
どうせ俺一人やったって意味ねえよって思わないで下さい。1がなければ2がないように、まず最初に自分が行動することによって、その輪は必ず広がっていくのではないでしょうか。大事なのは自分がまずやることです。「効率化」「能率化」とは少し話しが違うかもしれませんが、ゴミなんか掃除のときに拾えばいいじゃん、ではなくて、今それをやる。一見無駄のようでも、結局はゴミがなければ掃除も早く終わりますよね?掃除って汚いところをきれいにすることではなくて、汚くしないこと、これが掃除だと思うんですよね。
最近トイレに貼ってあるメッセージに「いつもきれいに使ってくれてありがとうございます」というのがあります。普通は「トイレはきれいに使いましょう」ですよね。私は前者のメッセージの方が好きです。このメッセージがあることで、ここは汚せないよな、という感覚になるのが不思議です。
何か話しがまとまりませんが、なんでもかんでもスリム化するんじゃなくて、「無駄」も大事なのかなって思います。さっきのゴミ拾いの話しじゃないですけど、結局自分が率先して行動することで、自分はいつもきれいな場所で生活できて気分が良くなります。
こんなことやったって「無駄」だよ。俺一人やったって「無駄」だよって思わないで、まずは自ら行動することが大事ではないでしょうか。やがてその「無駄」にはいろんな波及効果が現れて、大きな「意味」を持っていくのではないでしょうか。
でも政治家の皆さん、税金の「無駄」遣いだけはやめてください!! (Yokoyama)