胸に何かが詰まった様子で、足を引きずるようにして、後ろを振り返りながら歩く人・・・
その姿が「愛」という漢字のもとになったそうです。
今、大河ドラマ等でもこの「愛」という漢字が大きく取り上げられていますね。
それで書道の授業を通して少しふれてみようと思い、調べてみたところでした。
心の中がそのことでいっぱいになり、胸も張り裂けそうな気持ちで、その人のそばを去りがたく、振り返りながら足を止めながら、しかし一歩一歩前に進もうとしている人の姿。それが「愛」の原形。古代の中国の人は、大事な誰かを思い愛する人の姿を漢字にしたのですね。
調べながら私の心の中に浮かんだのは母の姿。幼い頃私を祖母の元に預けて仕事出てに行く母は、すがりつこうとする私の方を振り返り振り返り、車に乗り込んでいました。
そして私も母が振り向くのを期待しながら何度も何度も、「お母さん、お母さん」と繰り返してました。もちろん夜になれば帰ってくるのですが、呼んでも泣いても母は必ず仕事に行きます。それを毎日繰り返していました。
しかし、「愛」の形の人は、せつなくても辛くても、一歩一歩前に進んでいく人の姿を表しています。母も家族や子どもを気にかけながらも、もっと大きなもののために一時の感情に流されず歩いていたんでしょう。
そんな強さが本当の「愛」の意味なのだと思いました。
漢字一つには私たちの文化や人間の歴史が刻まれています。そんな意味を知ると漢字の勉強も楽しくなりますね。
(chi)