3年生インタビューシリーズの最終回は、野球部のエースとして活躍し、今春早稲田大学に進学する横山貴明君にインタビューします。
卒業まであと3日ですね。今の率直な心境を教えてください。
「今まで3年間一緒に頑張ってきた仲間と別れるというのが、ちょっと寂しい感じがしますね。」
横山君は双葉郡浪江町の出身ですよね。そもそもなんで聖光学院に入学したんですか?
「実は誘われたわけでもなんでもなくて、中学時代は相双中央シニアという硬式野球チームに入っていたんですが、特に実績を残したわけでもなんでもなく…。東京のある学校からちょっと来ないか? みたいな話しはあったんですが、自分自身東京まで行ってやれる! なんていう自信もなかったですし、それでもやっぱり野球は強いところでしっかりやりたいという意識もあったので、当時聖光が選抜を決めているところもあって、聖光学院かな～と。周りに話しを聞いても、県内の私学だったら聖光学院が断然いいなんていうアドバイスも多くあったので。聖光に決めました。」
面接試験で、志望動機で甲子園に行って将来プロに行きたいから聖光を選んだって言ったそうですね?
「はい。実は中学校の時はあんまり甲子園には興味がなかったんです。そんなことよりプロになりたい!!っていう気持ちの方が強かったんですね。プロになるためには、甲子園に行って活躍して、目立つことが大切だって当時は思っていましたから。でも聖光に入学して練習を積んでいくうちに、あ～甲子園っていうのは魅力的なところだなって感じたんです。」
実際に聖光学院に入学してみてどうでしたか？
「最初はまず人数の多さにビックリしました。こんなにいるんだって…。中学校の時は少人数だったんで。でもすぐに慣れました。人数が多いのは大変ですけど、色々な考え方の奴もいるし、そういう中で生活していくと、勉強になることもたくさんありますよね。」
横山君は実は1年夏に甲子園の土を踏みましたよね？
「はい。バッティングピッチャーとして選手団に加えて頂きました。1年の夏に甲子園の土を踏める、マウンドに立てるというのは本当に幸せな事でした。先輩方が甲子園で戦う姿を間近で見れましたし、本当に貴重な経験でした。そのあと、選手として甲子園に出場させていただいたんですが、宿泊も同じ宿舎で、甲子園の風景も感じていましたから、"甲子園"を特別意識することはなかったと思います。でも、試合前にはやっぱり緊張しましたけど(笑)」
さて、横山君が在学した3年間で聖光学院の野球部は甲子園出場が4回ですよね。聖光野球部の強さの秘訣は何なんでしょう？
「そうですね。他のチームにもうまい選手っていると思うんですよ。実際中にいると、そんなにレベル高くないですよ、ウチ。でも、みんな強い!! 精神的に強くなります。普段の生活や、練習、ミーティング、その中でやっぱり他のチームと違う"何か"が培われているんだと思います。大会で勝っていますから、みんないい選手に見られるんでしょうけど、普段の練習なんかでは結構みんなボロボロだったりしてます(笑)」
横山君は普通科進学コースでした。学校生活や授業のことなどについて教えてください。
「普通科進学コースはすっごく明るい!! 楽しかったですね。クラスに野球部の奴らも多いんですけど、ちょっと度が過ぎると、キャプテンの松本剛が"静かに!!"とか怒ってました。みんな松本の言うことは聞くんです。キャプテンだけあって妥協しないんで…。授業中寝たり、うるさいと練習やらせないんですよ、アイツ。監督とか部長以上の権限持ってます(笑)。もちろん、進学コースですから、勉強もちゃんとやっていましたよ。先生方もみんな優しいです。分かりやすく教えてくれますし。」
もう早稲田の練習に行っているんですよね。
「はい。早稲田ならではの決まりって結構多いんです。凄く厳しいです。でも、自分の目標はプロなんで、高い意識を持ってやり通したいと思います。4年後は絶対にドラフトにかかっていたい。早稲田に行って良かったと思っていたいと考えています。レベルがあがれば厳しさが増していくのは当然だと思いますし。ブルペンにも2回入りました。調子自体は悪くないですが、やっぱり体を作って土台をしっかりしたいです。｣
あの…、斎藤佑樹くんとは何か話しましたか?
「いやいや、話していないです。でも、すごいオーラが出まくってます。斎藤さんもそうですけど、レベルの高い投手が他にもいて、やっぱり同じようにオーラ出まくりです。自分はまだまだだって実感します。でも、いずれは自分もそうなりたいっていうか、ならなくちゃいけないと思いますし、超えたい!って本気で感じています。」
では、大学での抱負を…。
「まずは春のリーグ戦でベンチ入り出来るように頑張りたいです。そして、高校時代に果たせなかった日本一を是非とも経験したい。そして、個人としては4年後にドラフトにかかる選手になることです。強い意志を持って、聖光野球を忘れずにやり通します!!」
最後に、中学生や後輩にメッセージをお願いします。
「中学校時代私は本当に実績もなくて、声もかからないような選手だったんですが、聖光に入学して、自分でも想像以上に伸びたというか、本当に充実した3年間を過ごしました。ですから、今はそんなに力がなくても、今は弱くても絶対にあきらめないで頑張って欲しいですね。それと聖光学院は、自分がやりたいこと、例えば部活にしても勉強にしても、とことこん追求出来る環境があると思います。高校時代ってすごく大事だと思います。私も、聖光だからこそ伸びたと思いますし、プロには行けなかったけど早稲田大学に進学することが出来ました。熱い3年間を過ごしたい人には、ホント聖光学院はおススメの学校ですよ!!」
横山君、是非とも早稲田大学で頑張って雄姿を見せてください。いろいろと苦しいことはあると思いますが、「不動心」の精神を忘れないで、｢神宮の星」になって下さい!!