種まきウサギを知っていますか。

　早春、福島に桃の花が咲く頃になると、福島市の西側に位置する吾妻の山々の雪も少しずつ解け始め、吾妻小富士の北側の斜面に「雪ウサギ」と呼ばれる雪形が残るようになります。
　昔から地元の農民はこの「ウサギ」を見ることによって春の訪れを知り、苗代に種まきを始めたともいわれ「種まきウサギ」とも呼ばれてきました。
　例年だと４月中旬から５月頃に見えていたような気がするのですが、なんだか今年はすでに耳の形が現れてきたように思います。むしろ、ウサギができるくらいに雪が降ったのだろうかと心配になります。
　いつになく積雪の少なかった今冬。温暖化の影響でしょうか。「現在は未来の子どもたちから借りた時間。だからできるだけもとの形で、できればそれよりよくして返してあげなければいけない」と大学の先生の言葉を思い出します。どれだけのことを未来に返してあげられるか…、そんなに遠い未来でなくても、自分の子どもたちや生徒たちの未来に美しい自然や文化を伝えていかなければと思います。
　それでもまだまだ自然の残る福島。今は梅が満開ですが、これから桜、桃と咲き乱れ新芽が芽吹く清清しくエネルギーに満ち溢れた春を実感できることでしょう。遠方から聖光学院に入学されるみなさんも、ぜひ福島の自然を満喫してください！
（chi）