7月24日に行われた第98回全国高等学校野球選手権福島大会の決勝戦は、春の県大会優勝校光南高校と対戦し、終始リードを奪われる苦しい展開ながら、終盤の逆転劇で激闘を制して福島大会V10を達成しました。
聖光学院の先発は意表を突く三浦皓佑君。三浦君は準々決勝の小高工業戦で公式戦初完投初勝利を挙げて、調子を上げています。しかし、初回一死一塁から三番松本選手に抜けたチェンジアップをライトスタンドにホームランを放たれて、2点を先行されてしまいます。大事な決勝戦、先手を奪われてしまいますが、三浦君はかえって開き直ったか、2回以降は3イニングを被安打2に抑える好投で追加点を許しません。
一方聖光打線は毎回走者を出すものの拙攻が続き、光南先発の石井投手を攻略できません。そして迎えた4回、一死から大会後半戦に調子を上げてきた瀬川航騎君が追い込まれてからのインコース高めの直球を振り抜くと、これがレフトスタンドへ。追撃の一発が出ると、続く小泉徹平君がセンター前ヒットで出塁し、押せ押せムード。ここでムードメーカー8番鎌倉誠君が左中間へ同点タイムリー!見事な連打で試合を振りだしに戻します。聖光ベンチはここでエース鈴木拓人君を投入。その鈴木拓君は5回から3イニングをパーフェクトリリーフ。打線の援護を待ちます。聖光打線は、エースの投球に応えたいところですが、走者は出すものの決定打を欠き、無得点。これが逆に光南の流れを作ることになってしまいます。
8回、試合は大きく動きます。一死後好調溝井君にこの日2本目のヒットを放たれると、続く金沢君にもセンター前ヒットを打たれ、これをセンター鈴木駿君がジャッグルし、二・三塁の大ピンチ。3番松本君を敬遠気味に歩かせ一死満塁。絶体絶命のピンチを迎えます。ここで4番西牧君がセンター前の2点タイムリーヒット。光南が先に勝ち越します。もう1点も与えることのできない聖光学院ですが、5番近藤君が放った打球は火の出るような痛烈なライナー。誰もが追加点か、と思ったその瞬間、ショートの瀬川君がダイビングキャッチでこのボールを捕球すると、すぐに起き上がりセカンドへ転送して見事ダブルプレーが成立‼ 追加点を許しません。
8回にして2点のリードを許す苦しい展開、しかし聖光打線は全くひるむことなく、反撃に転じます。先頭の門井泰寿君がセンター前ヒットで出塁すると、好調瀬川君がレフトフェンス直撃の二塁打でチャンス拡大、ここで小泉君がセンターへタイムリーヒットを放ってまず1点、そして8番鎌倉君の犠牲フライですぐに同点に追いつきます。さらに一死一塁から鈴木君が送りバントを決めると、1番松本康希君が敬遠の四球で歩き、二死一・二塁とします。ここで迎えるのは昨日の準決勝でレフトスタンド場外へのダメ押しスリーランを放った磯邉伶也君。その磯邉君は初球のアウトコースの変化球を振り抜くと、ライトオーバーのツーベースヒットとなり、逆転の2点タイムリーとなります。
この試合ついにリードを奪った聖光学院は、10連覇をかけた守備に。光南も粘って1点は失うものの、最後の打者を三振に打ち取り、苦しみに苦しみ抜いて、聖光学院が優勝を飾りました。
数多くのプレッシャーに打ち克ち10連覇の偉業を達成した聖光学院は、聖地甲子園球場の土を今年も踏むことになります。皆様、今後もご声援よろしくお願い致します。