本日開成山球場で開催された第67回秋季東北地区高等学校野球福島県大会の決勝戦は、学法石川高校と対戦して6対0で勝利し、3年ぶり11度目の秋の覇者となりました。
この試合、聖光学院の先発は1年生右腕前田秀紀君。公式戦初先発の右腕の出来が試合の鍵を握ります。一方学法石川はエースの北郷辰憲君。試合は両チームとも初回からチャンスを作る展開でスタートしました。初回表、二死から前田君は好打者鞆谷翔君に四球を与え、その後ワイルドピッチで二進を許すと、4番小宮山武君に強烈な三遊間の打球を放たれます。しかし、今日ショートで先発出場の小泉徹平君がこれを好捕し、一塁へ大遠投!! これが間一髪アウトとなり、ピンチを救います。その裏、聖光学院も二死一・二塁のチャンスを作るも得点につなげることが出来ません。そして試合は4回の攻防に移ります。
4回表、前田君は先頭打者に四球を与えると、5番北郷君の送りバントを捕手の門井泰寿君がフィルダースチョイスを犯し、無死一・二塁の大ピンチ。しかし、前田君は1年生らしからぬ冷静な投球で、次打者をスリーバント失敗に打ち取ると、7番遠藤秀君、8番溝口英輝君を切れのある変化球で連続三振!!このピンチを強心臓の1年生右腕が、結果的に三者連続三振で切り抜けます。その裏聖光打線は4番鎌倉誠君の内野安打を皮切りに一死満塁のチャンスを作ると、迎えた8番河野廉君がワンボールからの2球目を強振すると打球は前進守備の二塁手の左に飛びます。誰もが先制タイムリーと思ったその瞬間、学法石川の笹島啓人君がダイビングキャッチ!!すぐにホームに返球してホームアウト。好投を続ける前田君の代打曽和大輔君もライトフライに打ち取られ、先制点ならず。学法石川の執念の守備の前に、聖光打線はなかなか主導権を握れません。
聖光学院は6回にも小泉君の三塁打が飛び出してチャンスを作りますが、スクイズを北郷君の好フィールディングの前に阻まれ好機を逸してしまいます。この嫌な流れを吹き飛ばしたのは、5回から登板したエース鈴木拓人君でした。鈴木拓君は5回以降四球の走者を一人出しただけの完璧なリリーフ。まさにエースの貫録溢れる内容で打線の援護を待ちます。
そしてついに7回裏、均衡が破れます。聖光打線は6回まで3安打とヒットこそ出ませんが、北郷君得意の変化球に必死に食らいつき、ツーストライクからファールで粘るなどして6回までで103球を投じさせていました。その粘り腰が、二死後ついに実を結びます。今日1番の瀬川航騎君がレフト線の二塁打で出塁すると、2番鈴木駿輔君がアウトコースのスライダーを左手一本で拾う執念の一打。打球は左翼手のダイビングも及ばず左中間に落ちて貴重な貴重な先制タイムリーとなりました!!
続く8回裏には一気の攻勢を仕掛けます。先頭の小泉君が技有の三遊間ヒットを放つと、続く今大会大当たりの西川将也君がこれもアウトコースのスライダーを左手一本でセンター前に持っていき、無死一・二塁の大チャンスを作ります。聖光ベンチはここでバントの名手、主将の松本康希君を代打に送ると、期待通り三塁側に教科書通りの絶妙なバントを決めます。すると焦った相手三塁手がなんと一塁へ暴投!! 一人一人がしっかりと仕事をした結果が貴重な2点目となります。さらに一死後9番鈴木拓君が一塁線へ絶妙なセーフティバントを決めて3点目を挙げると、1番瀬川君が死球で出塁して一・三塁とチャンスを拡大します。ここで先制点を叩き出した2番鈴木駿君が三遊間のタイムリーを放ち、そして3番門井君がレフト線へ2点タイムリーツーベースを放ってとどめ刺す怒涛の攻めで勝負を決めました。
最終回も鈴木拓君が三者凡退で抑え、聖光学院は秋3年ぶり11度目の優勝を果たしました。今大会は初戦から好投手を擁する県北支部準優勝校安達高校戦を皮切りに、県中支部(日大東北)・相双支部(小高工業)・いわき支部(いわき光洋)・県南支部(学法石川)と次々に支部優勝校と対戦、結果的に完全優勝という形になりました。チーム打率も決して高いわけでもなく、2度の逆転勝利に大接戦2試合と苦しい戦いとなりましたが、聖光学院らしい粘り強い戦いで、秋の頂点に立ちました。
聖光学院は10月10日から青森県で開催される秋季東北大会に出場します。皆様、ご声援よろしくお願い致します!!