今日は、3年普通科進学コースの浦克哉君(信夫中出身)にインタビューします。浦君は、なんと福島市の消防職員の試験に見事一発合格。15倍以上の倍率の超難関をクリアしました。そんな浦君に、志望動機、高校生活、そして将来のことなどを聞いてみます!!
なぜ、消防士になろうと思ったのですか?
「昔から消防士になりたいと思っていたわけではありません。私は高校生活の中で、本当に多くの方々に支えられて今の自分がいるんだと実感できました。自分の将来を考えるにあたって、やっぱりそういった方々に恩返しがしたい、人の役に立ちたいって考えた時、消防士になろう! と志したんです。」浦君は、多くの方々に支えられていることを実感した、ということですが、もうちょっと詳しく聞かせてください。
「私は野球部に所属していました。その活動を通して、両親や仲間、その他の保護者の方々の支援があって自分が何不自由なく野球ができるんだと感じていました。特に夏の大会でベンチに入れて頂いたのですが、その時にも本当に多くの人に応援してもらっていると実感し、恩返しのためにも、と必死に頑張りました。野球部の活動で、いろんなことを学ぶことが出来ました。」
進学は考えなかったですか?
「まず自分の将来の夢、というのを考えた時、自分はこうなりたい! と言えるまでのものはなくて、いろいろ考えて人の役に立ちたい、と。そして消防士を志したんですが、もちろん1年目で合格するとは思っていなかったので、駄目だったら専門学校に行こうと思っていました。もちろん、消防士を志すまでは大学も、と思いましたが、明確なこれを勉強したい!! っていうのもなかったので、それだったら消防士になるために・・・というのを優先させました。」
いつ頃の時期に消防士になりたいと思ったのですか?
「3年生になってすぐ位だったでしょうか・・・」
決めてからは、どんな勉強をしましたか?
「とりあえず、夏の大会が終わるまでは野球に集中でした。本格的な勉強は甲子園が終わってから、8月の中旬過ぎでした。福島に帰ってからすぐ、本屋に直行でした。消防士の試験のための問題集を2冊買って、勉強しました。」
勉強、良く間に合いましたね?
「はい(苦笑)。試験は、学科はやっぱり難しかったです。これは落ちたな、と。でも、試験と言っても、これまでの復習、という感じですから、学校の試験の延長線上です。自分は中学校の時から授業は大切にしていましたし、特に試験前はめちゃくちゃ勉強しました。中学校の時も朝方4時くらいまでやりましたし、高校でも同じです。高校では試験前に野球部で"勉強会"をやっていましたから、これも良かったです。」
他にはどんな試験があったんですか?
「1次では実技試験と作文です。実技試験は、腕立て伏せやシットアップ、三段跳び、2分間のシャトルラン?、とターンダッシュをやりました。作文は"住みよい街とはどういう街か"という問題でした。2次では面接と適性検査でした。面接は2日連続で、1日目は試験官が4人、2日目は副市長さん? が面接官でした」
それらの対策は?
「実技試験は、野球部を引退してからも、ランニングと腕立て・腹筋なんかは毎日やっていました。作文は、特に何も…。もともと得意ではなかったのですが、野球部で結構レポート提出っていうのがあったので…。好きな野球のことだったんで、一生懸命取り組んでいて、文章力はついたかな、と。いま思えば、野球部のレポート効果です(笑)」
そう言えば浦君は11月のマラソン大会で・・・
「はい、優勝でした!! マラソン大会はホント、無茶苦茶走りました。試験は9月で終わったんですが。雑談の中で、俺、マラソン大会で1位になろうかな、って言ったら、予想以上に周りが反応して、応援してくれるようになって。下手したら、それ以上ってことはないけど、野球部の現役時代と同じ位頑張りました。1位になりたいって、本気で思ったんで…。でも、これは消防士の試験とは全然関係ないです(笑)」 (浦君はマラソン大会で、陸上部や他部の生徒を抑えて、見事優勝しました!!)
高校時代の成績はどうだったですか?
「1年生の時はクラスで1位でした。2年生の時は2位? だったと思います。3年生の時は、周りも結構必死だったんで、5番位です。」
部活との両立は大変だったのでは?
「はい。とにかく普段の授業を大切にすること。それと、試験前の"集中力"ですね」
消防士の試験と言うと、結構多くの人が受けますよね。
「はい。確か1次で60数名だったと思います。高校生はもちろん少なくて、大学生や専門学生がほとんどでした。それで2次で8名です。1次の結果通知書が自宅に来ましたが、不合格者には通知が行かないって聞いていましたから、えっ、うそ!! って感じで。自分の中では、もう落ちて専門学校に行くもんだと思ってましたから、逆に2次に向けて気持ちを切り替えるのが大変でした。でも2次試験を受ける時には絶対受かりたい!!って思ってましたから、結果発表までは、ドキドキでした。」
超難関の試験だったんですね。勝因はなんだったのでしょうか?
「まずは、やっぱり聖光野球部です。聖光では、野球の練習だけじゃない、っていうか、ホント、一人間として大切なことを学ぶことができました。中学校時代と考え方は全く変わりました。親への感謝なんて、中学校時代は全然なかったです。いろいろ価値観も変わりましたし、一人の人間としてどうあるべきかって追求していくと、野球だけじゃなくて、勉強だって本気でやんなくちゃいけないって思うようになるんですよね。あとは、普段の授業でしょうか。聖光の先生には気軽に質問できる雰囲気があるんですよね。実際、自分もいろいろ質問していました。」
どんな消防士になりたいですか?
「僕にとっては消防士になることが目標ではないんです。目標は人の役に立つ仕事をする、そういう人間になるってことなんです。だから消防士になるというのはそのための手段です。試験では、はっきり言ってうまくいっちゃったっていうか、ビックリなんですけど、ホント、大切なのはこれからです。まだ、どんな風にすればいいのか具体的には分からないんですけど、日本一の消防士になりたいって思っています。そのために、いつも自分を成長させるっていうか、妥協しないでやろうと、そういう気構えだけは持っていきたいと思います。」
最後に、中学生や後輩にメッセージをお願いします。
「やっぱり目標を持つことです。持っていないと頑張れないです。自分はこうなりたいって、毎日思うことです。聖光学院は、自分がやりたいことに没頭できる環境が揃っています。部活にしても勉強にしても、先生方も応援してくれるので、すごくいい環境だと思います。特に中学生の皆さん、ぜひ聖光学院に来て下さい。絶対後悔しませんよ!!」
以上、浦克哉君のインタビューでした。「消防士になるのは目標じゃなくて、人の役に立つというための手段」という言葉が印象的ですね。野球部の先生に聞いても「浦は本当に努力家だった」と絶賛です。インタビューでは「試験はうまくいっちゃった」と言っていましたが、それこそ裏では相当の努力があったんだと推測できますよね。そして普段からの姿勢、そんな誠実な姿勢があったから、今回このような結果になったのだと感じました。
浦君、ご協力ありがとうございました。「日本一の消防士」目指して頑張って下さい!!